NHKスペシャル「B'z」

実にNHKらしい番組だと思いました。
八小節に拘り何度も試行錯誤する松本さんのギターを聴き比べるくだりは、特に。
すごく丁寧に、時間を割いて松本さんの職人的なところを描いてる。
普通なら1時間弱の放送時間にもっと色んな映像つめ込みたいと盛りだくさんになっちゃいそうなのにね。
シンプルにB'zの音楽に対する真摯な姿勢を描いてそれ以外の部分は削ぎ落としていった番組でした。*1
そこが私が感じるNHKらしさという所で、NHKだからできる贅沢な番組。
民法の番組だったらもっと視聴率を狙いにいったかたちになっていたと思う。



「なぜB'zは売れるのか?」を探ると言うテーマからNHKが導き出した結論は“愚直な努力をコツコツと積み重ねる二人の姿”というシンプルな答え。
今回の映像は長く彼らのファンである人達も少なからず衝撃を覚えただろうと思います。
私だって稲葉さんが喉に人一倍気を使っているだとか、松本さんはレコーディングのお休みの日でもギターの練習をしているだとか、エピソードとしては知っていたけど、実際に映像で目の当たりにして(しかもそれが想像以上で)かなりの衝撃を受けました。
どれだけ自分が努力もしないで“のんべんだらり”と日々過ごしているかを痛感させられ、情けなくなりましたorz
とりあえず、wiiだけは毎日続けようと思いました(爆)
ちっちゃい事だけど、しないよりは全然マシなのだと信じて☆


番組冒頭から呼吸の筋肉を鍛える稲葉さんの図が衝撃的で自分の思い描いていた番組とは違うなと言う感じがしました。
なんとなく“ファンだけが知っているお茶目なB'zを出して行こう!”的な企画だと解釈していたので、世間様がビックリするようなB'zの映像が盛りだくさん♪などと思っていたら実際はB'zファンがビックリするような映像が(笑)
松本さんのギターに対する職人的な拘りとB'zの音を作り出す時の柔軟な対応。
B'zのSingerであり続ける為にストイックなまでの努力を続ける稲葉さん。
どちらもB'zを愛しているが故なんだなと感じました、もしかしたら私たちファン以上に…。
Official Bootleg”の中で稲葉さんがB'zとは「使い込んで味の染み込んだ土鍋のようなもの*2」と仰っていた時に「うまいこと言うな〜」と思ったけど、稲葉さん自身がこの事を痛感しているからこそ自然に出た答えなんだと今回分かりました。稲葉浩志の喉が壊れたら土鍋は割れてしまいますものね。




ここからは気になったシーンについて、、、


レーニングウェア(ピチT&短パン)で田舎道を普通にジョギングする稲葉さん。
ポケットに潜ませた500円はジュース代だと信じて疑わなかった自分をものの数十秒で恥じました(苦笑)
まさかお賽銭とはっ!!
「いままでお賽銭投げなかったんで、ここで」って言う言葉は誰の声なんだろう?
500円のお賽銭なんて太っ腹!!と思ったけど、この言葉から推察すると≪今までお金を持ってランニングに出てなかったからお賽銭を入れれなかった数日分まとめてコレで!≫みたいな感じかな?と思ったんだけど、どうかな??



リハーサル中の映像もビーパが提供してくれたワイワイした感じじゃなくて緊張感のある映像。
松本さんの怒ってる姿を見たのも初めてかな?プロなんだなと思いました。
プロとプロが仕事をする以上は当然の要求なんだろうね。
松本さんが全体の流れを作って、周りはその要求についていけないならダメって事。
世間には口だけの奴らもいるけど、松本さんは要求する以上に自分が成果を出してるから周りもついて行かなきゃっていう雰囲気がピリピリ伝わってくる。人に要求する時は、自分はそれ以上の事を見せなきゃ言われた方は納得できないもんね。松本さんはそれだけの事をやっているんだよね、お休みにした日にホテルで8時間ギターの練習だもん。昔Mステでレコーディングで訪れたロスのホテルでも朝早くからギター弾いてるって稲葉さんに言われてたっけな。
番組内のインタビュー中の松本さんの言葉「自分にギターの才能があったんじゃなくて、他の人より相当ギターが好きだったってのが原動力」ってのが響くね♪
よっ!永遠のギター小僧!!(笑)


そう言えば、稲葉さんは喉の手術をした事サラっといいましたね(驚)
かなり衝撃的な発言だと思うんですけど。
これまでどこでも発表してないですよね?
私が知る限り稲葉さんの喉が一番ヤバいなと感じたのが2003年の年末でした。
LIVE中はそんな中でも出てたと思うけど、Mステは痛々しい感じすらありました。
手術をするほどの状態だったんですね。
そんな状態だったのにBIG MACHINEツアーをやり切ってくれた事に改めて感謝です。


“グローリーデイズ”のレコーディング風景では私が尊敬しているB'zの姿がありました。
松本さんが以前にお話されていた時に感心したエピソード。
“B'zはデビュー当時から出てきた提案は違うと思ってもとりあえずやってみる”と言う事。
デビュー当時、ほぼ素人の稲葉さんの意見をプロのギタリストとして活躍していた松本さんの経験が違うと言っていても「違うよ」と言葉だけでなく、実際にやってみせて「違うでしょ?」と本人が納得する形をとっていたと。でも時にはそれがスゴク良い方向に行く場合もあってヒット曲が生まれたりしたらしい。やっぱりB'zは2人でなきゃ成立しない。松本さんだけでも、稲葉さんだけでも…。
稲葉さんの「100%の自己表現ではない」、松本さんの「無駄なエゴがない」って言う柔軟性がこれだけ色んなジャンルの作品を出し続けるB'zなんだ♪と思ったのですvv




今回の番組を観て私は15周年の時に2冊の写真集を手にした事を思い出しました。
一冊は一般に発売された写真集がLIVE ON、もう一冊はビーパから記念品として送られてきたLIVE OFF。
この二冊は対になっていて、名前の通り舞台上と舞台裏の写真が収められていました。
20周年の今回は音楽に真正面から向かっている姿(今回のNHKスペシャル)と普段のリラックスした姿(Official Bootleg)を合わせてB'zなんだよって感じがしました。

*1:予告にあったメイクを直してもらっている稲葉さんのお茶目顔も本編では放送されなかったし、松本さんの笑顔も少なく感じたな。

*2:B'zとは受け皿で、色んな人の意見や想いが入っているもの。